女性役員・管理職をどう増やす?企業の育成・登用に関する先進事例

目次

本記事では、育成研修や登用プロジェクトを通して、女性の役員・管理職を増やすことに成功した企業の事例を掲載しています。
幹部の視座を高め、意思決定力を醸成したいとお考えの人材開発ご担当の皆様は、自社に合った導入プランを構築するための材料としてご活用ください。

北國フィナンシャル
ホールディングス
(業種:金融業)

多様性および
多様なスキルを持つ人材の育成

背景・課題:
事業多角化に対応できる
人材育成が急務に

北國フィナンシャルホールディングスでは、銀行業務にとどまらず、コンサルティングや投資業務などへと事業の幅が広がる中、従来型の金融人材だけでは対応が難しくなってきました。

そのため、全社的にリカレント教育やリスキリングを強化し、多様なスキルを持つ人材育成が喫緊の課題となっていました。

取り組み:
学びを支援する体制づくりと
経営塾への参加促進

こうした背景を踏まえ、社員の自主的な学びを支援する仕組みの一環として、北國FHDではBBT経営塾への参加に補助金を支給するなど、積極的な後押しを行っています。

女性として人材開発部長に就任した横越氏自身も、多様性を目指す会社の旗振り役として自ら経営塾に参加し、経営視点を学ぶ取り組みを始めました。

プロセス:
地方志向からグローバル視点へ
意識改革

入塾後まもなく「視野が国内に限定されがち」との指摘を受けたことが、企業としての在り方を見直す契機となりました。

北陸発の企業としてもグローバルな視点を欠かせないと認識し、社内の学びの在り方にも変化が生まれました。日々の議論や情報共有の中で、社員同士の視座も高まっています。

成果:
学ぶ風土の醸成と人材の多様性拡大

国外へ目を向けることは社内の共通の話題として定着し、月曜の会話が世界情勢を起点に始まることも珍しくありません。

BBT経営塾を軸にした社内の学びの文化が根づき、若手や女性社員の参加も増加。組織全体として学ぶ風土が強まり、多様な人材の可能性を引き出す環境づくりが進んでいます。

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勇心酒造(業種:製造業)

将来の女性役員を増やすための
採用・登用プロジェクト

背景・課題:事業転換により
女性従業員のキャリア支援が急務に

勇心酒造は、創業170年の歴史を持つ老舗の酒造メーカーです。
同社では「従業員は家族同然」という家族経営的な風土を背景に、古くから性別による役割分担を排した人材活用が文化として定着していました。

転機となったのは約20年前、日本酒製造で培った発酵技術を活かし、新たに化粧品事業へと進出したタイミングです。
新規事業の成長とともに女性従業員が急増し、2021年度には全体の56%を占めるまでに成長。事業の構造転換に伴い、女性管理職登用を含むキャリア形成支援の必要性が一気に高まりました。

取り組み:管理職における
女性従業員の採用人数・比率を設定

「女性従業員に長く勤めてほしい」という思いから、経営層は男女平等な採用・管理職登用を推進しました。
「一般事業主行動計画」の目標では、管理職における女性社員を7名以上、女性割合を30%以上に設定(※グループ長補佐以上)。
実際に、グループ長補佐の約半数は女性社員を選抜し、女性のグループ長も活躍しています。

また、厚生労働省が実施している女性活躍推進法に基づく制度「えるぼし認定」の申請を行い、最高ランク(3段階目)を取得(※)しました。

プロセス:経験者主導で
産休や育休などの社内制度を整備

育成した女性役員や管理職に長く働いてもらうには、出産や育児などのライフイベントに伴う制度を整備する必要がありました。
そこで、育児休業を経験した社員らが産前産後~育休復帰までの手続き一覧を作成。

制度利用者に配布した結果、利用手続きの全体像が明確になり、好評を得ています。
実体験に基づいた資料の作成により、制度活用への不安を払拭し、キャリアの中断リスクを低減しました。女性従業員の育児休業取得率は、100%を継続しています。

成果:女性応募者を増やして
自然なキャリアアップを支援

「えるぼし認定」を取得(※)した影響もあり、地元紙や冊子などで取り上げられる機会も増え、企業認知の向上とともに女性応募者が急増しました。
採用応募者の7割を女性が占めている状況で、「性別にかかわらず長く働ける企業」という認識が求職者にも広がっています。

女性部長の執行役員は現在不在ですが、将来的に管理職や準管理職が成長すれば、執行役員や部長といった意思決定層への登用にもつながる基盤が整いつつあります。

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栄和産業(業種:製造業)

「製造業=男性の職場」という
常識を覆すプロジェクト

背景・課題:業界の特性上、
女性応募者そのものが少ない

栄和産業は、自動車部品や建設機器部品の製造・加工を手掛けている企業です。
少子高齢化による労働力減少を見据えて、「働きたいという気持ちがある人材」であれば、人種や年齢、特性を問わず積極的に採用してきました。

しかし、機械部品の製造業という業界特性上、女性従業員の応募はほとんどありません。2016年の女性活躍推進法の施行を機に、女性の積極採用へと舵を切りました。

取り組み:女性が働く上で
考えられる課題を徹底的に解消

「製造業は男性中心」という固定観念を打破するため、会社案内のパンフレットやYouTube動画を刷新。
実は力仕事ばかりではなく、女性でも活躍できる環境だということを積極的に発信しました。

また、女性従業員を含む全新入社員を対象として実習を行い、女性が製造業で働く際に何が課題となるのか分析
明らかになった課題は、経営層や現場長が検討し、改善に取り組んでいます。

インフラ面では女性専用トイレの増設を行い、女性が安心して働ける職場づくりを推進。
事務職だけでなく技能職や営業職にも女性の配属が進み、組織としての多様性が着実に広がっています。

プロセス:性別にとらわれない
適材適所のマネジメント

取り組みを進める中で、製造現場では「女性の新入社員にどう接すればよいか」という戸惑いも見られました。

しかし、上司や現場リーダーが「それぞれの得意なことを伸ばす」という考え方を共有し、個性や強みを活かした配置とマネジメントに転換。
性別にとらわれずに戦力として期待される風土が醸成されています。

成果:未来の管理者・役員となる
女性の応募が増加

取り組みを行った結果、女性の応募は少しずつ増加していきました。2021年度の女性従業員数は30名を突破
女性従業員の増加は、社内のコミュニケーションにも好影響を与え、「言わなくても分かる」から「丁寧な共有」を行う文化へ変わりつつあります。

さらに、厚生労働省が実施している女性活躍推進法に基づく制度「えるぼし認定」の最高ランク(3段階目)も取得(※1)
経済産業省が実施している「新・ダイバーシティ経営企業100選」では、2019年の製造部門を受賞(※2)し、取引先や地域からの注目も高まっています。

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読売エージェンシー
(業種:広告業)

「男性中心の職場」から
脱却するためのプロジェクト

背景・課題:男女ともに
「男性中心の職場」だと感じていた

読売エージェンシーは、テレビやラジオ、新聞や雑誌、インターネットなど、幅広いメディアを活用して広告・プロモーションを手がけている企業です。
2017年より、女性活躍推進の取り組みを進めています。

従業員がどのような意識を持っているのか、課題を抽出し、施策に反映するため、女性の積極的な管理職登用に関するアンケートを実施しました。
男女の管理職・女性従業員の両方において、男性中心の職場であるという回答が大半を占める結果に。この結果を踏まえ、女性の管理職登用をこれまで以上に意識する必要がありました。

取り組み:女性の管理職登用に対する
社内アンケートと外部研修を併用

女性管理職比率20%以上、副部長に女性を1名以上登用するという目標を設定。

「女性の積極的な管理職登用に関するアンケート」の結果を基に、育児をしながら働きやすい制度を積極的に導入。
例えば、短時間勤務(中学入学まで)、時差勤務、在宅勤務、女性休暇(生理・不妊治療・更年期対応)などの制度を採用しています。
復職時には多部門との面談を行い、個人の希望に沿った配属支援を実施しました。

若手女性のキャリア意識を醸成するため、自治体が制作した研修動画を活用して、2021年・2023年にキャリア形成研修を実施。継続的な研修で中長期的なリーダーシップ育成を進めています。

プロセス:課題を可視化して
環境・意識の両輪で組織変革を推進

意識調査を通して、表層化されていなかった「男性中心の職場」という無意識の前提が見えてきたことで、取り組みの方向性が明確になりました。
管理職層にも課題を共有しながら、マインドセットと制度の両方にアプローチ。地道なステップを踏んで信頼を醸成し、風土改革につなげています。

成果:副課長・主任級の女性比率は
52%を達成

女性管理職比率や男女別の採用における競争倍率などの基準を満たし、女性活躍推進法に基づく制度「えるぼし認定」の最高ランク(3段階目)を取得(※)しました。

新卒採用の女性応募者は増え、2018年度以降は女性採用数が男性を上回る状況が続いています。
特に若手女性従業員の比率が高く、40歳未満の比率は75%を占めているほどです(2023年度)。

また、課長職以上の女性を増やすべく、再度アンケートを実施し、現状認識のアップデートを図る計画も進行中。
既に副課長・主任級の女性比率は過半数に達しており、管理職層への着実な移行が期待されています(2023年度)。

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女性役員・管理職における
育成事例の総括

本記事で紹介した3つの事例は、いずれも女性登用を起点とした組織変革に取り組み、経営層のコミットメントと現場の巻き込みを通じて成果をあげていました。

制度を整備するのはもちろん、意識醸成やキャリア支援の仕組みを継続的に設けることが大切です。
結果として、女性が自然に活躍できる環境が構築され、女性従業員の採用力向上にもつながります。

これから女性役員・管理職を増やしたい企業は、「形式的な数値目標」や「スキルの育成研修」に留まらず、次世代リーダー層の厚みをつくる取り組みを実施していきましょう。

また、本サイトは経営幹部の育成に特化した情報をまとめています。
「事業部長候補向け」「現地法人の代表候補向け」「次期後継者候補向け」という対象者別のおすすめの研修プログラム提供会社も紹介していますので、比較・検討の材料としてご活用ください。

経営幹部に必要な能力が身につく
育成研修プログラム提供会社
おすすめ3選

経営幹部に必要な能力が身につく
対象者別の育成プログラム3選

経営幹部育成は、誰を育てるかによって選ぶべきプログラムが異なります
ここでは、事業部長候補・現地法人の代表候補・次期後継者候補の3タイプに分けて、相性のよい研修プログラムを紹介します。

【事業部長候補】向け

経営変革を担う人材の育成なら

Aoba-BBTの
『BBT経営塾』

Aoba-BBT
引用元:Aoba-BBT公式HP
(https://go.bbt757.com/keieijuku-lp/)
経営視点と構想力を鍛える
実践型プログラム

実在企業の課題をもとに考え抜く演習や、異業種の受講者との議論を通じて、経営判断力・戦略思考・構想力を磨けるプログラムです。部門最適ではなく、全社視点で考えられる人材を育てたい企業に向いています。

▼カリキュラム実例▼
Real Time Online Case Study
実在企業の課題に対し、「自分が経営者ならどう動くか」を考えるケース演習です。情報収集から分析、打ち手の構想までを実践的に学べます。
現代の経営戦略を学ぶ
社会・経済・テクノロジーの動向をテーマに、経営者が押さえるべき論点を多角的に議論し、意思決定に必要な視座を養います。

【現地法人の代表候補】向け

グローバルリーダー育成なら

グローバル・エデュケーションの
『企業研修プログラム』

グローバル・エデュケーション
引用元:グローバル・エデュケーション公式HP
(https://www.globaledu-j.com/)
海外拠点で成果を出すための
判断力と適応力を養う

異文化理解や現地適応力に加え、実務を想定したトレーニングを通じて、グローバルな経営視点と現地スタッフとの協働力を身につけられるプログラムです。赴任前後の育成を強化したい企業に向いています。

▼カリキュラム実例▼
エグゼクティブ・エデュケーション
海外拠点や部門を担うリーダー向けの短期集中コースです。世界の教授陣とのディスカッションや360度評価を通じて、視野と人脈を広げられます。
Global Boot Camp
異文化理解と異業種交流を軸に、6か月でグローバル人材への意識変革を促すプログラムです。事前課題や学習サポートも用意されています。

【次期後継者候補】向け

事業承継のためのインプットなら

インソースの
『後継者育成計画』

インソース
引用元:インソース公式HP
(https://www.insource.co.jp/kenshu/successionplan-top.html)
不足しやすい知識や判断力を
体系的に補える

階層別テストやケース演習を通じて、後継者候補に必要な意思決定力・リーダーシップ・経営知識を整理して強化できるプログラムです。事業承継に向けて、必要な知識を計画的に補いたい企業に向いています。

▼カリキュラム実例▼
階層別テスト(上級管理職向け)
経営戦略・リスク・人材・コスト・プロジェクト」などのテーマから、後継者候補に必要な知識と活用力を可視化します。
経営シミュレーション実践型プログラム
経営を疑似体験できるeラーニングを通じて、資金繰りや事業運営の判断を実践的に学べるプログラムです。事業承継を見据えた学習にも適しています。