こちらの記事では、後継者の育成に取り組んだ企業の事例を紹介しています。失敗の危機から事業の黒字化に繋げたメーカーの事例や、外部リソースや外での経験と活かした事例、コンサルタントともに経営者としての意識を育成した事例など、さまざまな企業の取り組みをまとめました。後継者の育成や事業の承継などにおいて悩みを抱えている、どのように進めたら良いかわからないといった方は、ぜひ参考にしてください。
山形県内にある木工メーカーの事例です。こちらの企業では、都市部の大手企業に勤めていた創業家の長男が父親の体調不良が発生したことからUターンしました。その後、社内からは「急すぎる」という意見があったものの「長男だから」という理由で社長へ就任しています。
しかし、後継者が実権を持てない、不十分な財務対策、親族間との対立により銀行からは不信感を抱かれ資金繰りが悪化、外部の環境への変化による業績の低迷といったように、さまざまな課題を抱えている状態となっていました。
まずは親族間の対立解消を行うため、地元の商工会から株式譲渡計画についてアドバイス。さらに信用金庫が条件付き融資を行うことによって債権を後押ししました。
ファミリービジネスコンサルタントを活用し、親族を集めた「家族会議」を定期的に開催することにより、親族がバラバラに持っていた株のほか、経営権の整理を行い、後継者が実質的に経営に関する決定を行えるように体制を再構築しています。また、幹部社員ともあらためて協力関係を結び直しました。
元々社長への就任に乗り気ではなかった後継者でしたが、自身の周りの状況を見て「このままではまずい」と感じたことから一念発起。中小企業診断士や地元大学院の社会人講座に参加することによって、経営や財務の基礎などの学び直しを行いました。
さまざまな取り組みを行った結果、業績はだんだんと回復。地元の公共向け施設向けの家具を受注するなどの方法により黒字化に成功しています。さらに「手作り家具の高付加価値路線」を新製品として打ち出したことにより、県外の百貨店やECサイトにも展開しています。後継者本人も「当時は失敗しかけたものの、外部の力、家族会議の設置が救いになった」と話しています。
▼この事例に関連性の高い記事はこちら▼
建設業を手がける企業において、数年後に代表者を予定していました。そこで、自身の子どもへの後継者育成を行いたいと考えていたことから、ワイエムコンサルティングへの相談を行いました。
後継者育成を行うにあたり、まずは経営計画の策定プロジェクトチームを社内に立ち上げました。その中で、後継者と社長、コンサルティング会社を交えたディスカッションを重ねていくことによって、「現状の課題の把握」「将来あるべき姿を共有」「アクションプラン」「数値計画」に策定を行いました。
元々社長と後継者は、いずれも控えめな人柄だったため、普段は直接議論をぶつける機会はありませんでしたが、今回プロジェクトチームを組んで取り組んだことによってディスカッションを行えています。その中では、後継者が社長の言葉をメモに書きとるシーンが多く見られました。このように、社長はコンサルティング会社に意見を伝える、という形で「事業への想い」の承継を行えたといえます。
上記のような取り組みを行っていくことで、後継者において「経営者としての意識」の変化が目に見える形で現れました。また、後継者自身でも、「プロジェクトを通じて、社長が普段言っている内容や考えを理解できた」とのコメントが寄せられています。
▼この事例に関連性の高い記事はこちら▼
代表取締役が50歳を向ける前に、後継者に経営を引き継ぐことを希望。そのためにも、プロジェクトから将来的な経営人材を輩出すること、次世代経営人材として求められるスタンス・マインドの醸成・能力開発を早い段階に行う必要がありました。
「少壮気鋭プロジェクト」を中心とし、1期目として35歳前後までの社員13人を選抜。参加者には、「経営者としての覚悟」を持つことを求めており、毎回のセッションには複数の役員が同席して、参加者とのセッションを重ねています。参加者のモチベーションを保つためにも、経営メンバーも成長するというつもりでプロジェクトに向かい合っています。
プロジェクトの中では、「冒険教育」などにも取り組んでいます。経営陣もこちらに参加し、「本気で取り組む」ということを体験。高い集中力を持って仕事に取り組んでいたかを振り返る機会になりました。
また、プロジェクトの最終回が近づくに連れて、参加者の変化も感じられ、「経営を担う覚悟」ができた場合の変化が感じられています。
「少壮気鋭プロジェクト」に参加したメンバーは、執行役員に昇格するメンバーや、x事業部長などの重要なポジションに就くメンバー、経営合宿や経営会議の議論に参加しているメンバーといったように、さまざまな効果が得られています。
また、副次的な効果として、GMとボードメンバーとの意識が近づいてきたという点も挙げられています。これまで「部門最適」という点にフォーカスしがちだったGMも、役員と同じレベルの視点を持ちながら経営とコミュニケーションを行って、部門価値をより大きくするという動きができるようになったというように、経営視点を養いつつ実務経験を積むことにより、階層間での意思疎通がスムーズになっていると感じています。
▼この事例に関連性の高い記事はこちら▼
先代から4代目に会社を引き継ぐにあたって、かつての星野温泉旅館は時代の流れについてくことができず、経営不振に陥っていたといわれています。
会社を引き継いだ4代目は、海外で学んだ経営理論やマーケティング手法を導入することによって、旅館事業からリゾート運営会社へのモデル展開を図っています。
その中では、これまでの旅館業会にはなかった「ブランド戦略」「プロジェクトマネジメント」実践のため、外部から優秀な人材を積極的に採用しました。自分たちだけで経営を行ったのではなく、さまざまなプロフェッショナルが活躍できる仕組みを構築してきた点も特徴といえます。
後継者としてすぐに全権委任を受けるのではなく、数年の間は部分的な改革を行いながら、経営基盤を整えてから本格的に会社を率いる、という形で進めています。元々の温泉旅館ブランドを残しつつも、「星のや」「界」「リゾナーレ」など新しいブランドの展開を行うことによって、従業員や顧客に対して「新旧融合」の姿勢を示しています。
大規模な事業改革を行ってきたことから、古参となる従業員や地元関係者からの反発があったとされていますが、「軽井沢地域の観光活性化」といった大義、段階的な情報共有や説明をしっかりと実施することによって、最終的には地域・従業員の理解が得られています。
また、上記のように独自のブランド戦略への取り組みを行い、「星野リゾート」という名前を全国規模・海外マーケットにも展開。さらに、この事例は後継者が「外部での経験・学びを活かして組織的な改革を進めた成功事例」として、観光業界における事業承継セミナーなどでたびたび取り上げられています。
▼この事例に関連性の高い記事はこちら▼
本記事では後継者不足への対応において、幹部を育成するための取り組みを行った事例について紹介をしてきました。後継者を育成する上では、社内からメンバーを選抜した上で育成プロジェクトを進行する、外部経験やグローバルな視点を組み込むことによって、後継者を育成するといった方法などさまざまな手法が用いられています。 後継者の育成や事業承継を行う上では、計画的な準備や周囲の支援はもちろん、後継者の主体性が求められますし、外部のリソースの活用によって、より良い後継者の育成に取り組んでいけます。
経営幹部育成は、誰を育てるかによって選ぶべきプログラムが異なります。
ここでは、事業部長候補・現地法人の代表候補・次期後継者候補の3タイプに分けて、相性のよい研修プログラムを紹介します。
【事業部長候補】向け
経営変革を担う人材の育成なら

実在企業の課題をもとに考え抜く演習や、異業種の受講者との議論を通じて、経営判断力・戦略思考・構想力を磨けるプログラムです。部門最適ではなく、全社視点で考えられる人材を育てたい企業に向いています。
【現地法人の代表候補】向け
グローバルリーダー育成なら

異文化理解や現地適応力に加え、実務を想定したトレーニングを通じて、グローバルな経営視点と現地スタッフとの協働力を身につけられるプログラムです。赴任前後の育成を強化したい企業に向いています。
【次期後継者候補】向け
事業承継のためのインプットなら

階層別テストやケース演習を通じて、後継者候補に必要な意思決定力・リーダーシップ・経営知識を整理して強化できるプログラムです。事業承継に向けて、必要な知識を計画的に補いたい企業に向いています。