本記事では、金融業界における経営幹部育成に関する取り組みについて、公開情報をもとに整理しています。規制対応・デジタル化・グローバル競争など経営環境の変化が著しい金融業界において、次世代の経営人材をどのように計画的に育成・登用しているかを確認する参考情報としてご活用ください。
三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)は、銀行・証券・リース・消費者金融など多様な金融事業をグローバルに展開する大手金融グループです。急速に変化する金融環境のなかで、CxOや事業部門長等の国内外の主要ポジションを担える経営人材を、年齢や背景に関わらず計画的に育成・登用する仕組みの整備が重要な経営課題とされています。
公開情報からは、経営幹部候補の育成を人事部門だけに委ねるのではなく、グループCHRO(最高人事責任者)が主導する形で、経営戦略と連動した人材育成体制が構築されていることが確認できます。
同グループでは、CxOや事業部門長等の主要ポジションについて後継者育成計画を策定し、成果・実績に応じた登用を推進しています。公開情報では、40代前半での執行役員登用や、グループ内で所属会社を跨いだ執行役員登用の実績も示されています。
また、経営幹部候補者の計画的な育成を目的としてグループ合同研修を開催しています。経営幹部としての俯瞰的な視野を育むとともに、グループの強みを活かしたビジネス推進に向けた一体感の醸成を図ることが目的とされています。
開示情報からは、経営幹部候補育成とあわせて意思決定層の多様化にも取り組んでいることが確認できます。たとえば、三井住友銀行における「スポンサー制度」では、経営会議役員(スポンサー)が女性経営幹部候補(スポンシー)に対してキャリアアップへの包括的な支援を行う仕組みが整備されています。
また、従業員一人ひとりの自律的なキャリア形成を支援する学習環境の整備も並行して進められており、育成への個別投資と組織全体のキャリア自律支援を組み合わせた人材戦略が構築されていることが読み取れます。
SMBCグループでは、CxOや事業部門長レベルの後継者育成を経営戦略の一部として位置づけ、グループ全体を横断した育成・登用の仕組みを整備することで、金融グループにおける経営人材を持続的に輩出する体制が成果として構築されています。
横浜銀行を中核とするコンコルディア・フィナンシャルグループは、神奈川県を地盤に展開する地方銀行グループです。地域経済の変化や金融デジタル化の加速を背景に、将来のトップマネジメント層・役員候補となる人財を計画的に育成する枠組みの整備が重要課題とされています。
公開情報からは、経営幹部候補の育成に向けて、外部機関によるアセスメントやタフアサインメントを組み合わせたプログラムが構築されていることが確認できます。
同グループでは、将来の経営幹部・役員候補を対象とした「次世代経営リーダー育成プログラム」を実施しています。対象者には外部研修機関によるアセスメントを実施し、「マネジメント力」「戦略理解力」「巻き込む力」などをテーマとしたタフアサインメントを通じて、実務での成長機会を提供しています。
また、候補者プールの拡大と登用管理を一体的に進める体制が整備されており、育成状況を継続的にモニタリングしながら登用につなげる仕組みが構築されていることが読み取れます。
経営幹部候補の育成と並行して、キャリアステージを問わずに応募できる公募制度(行内公募・リスキリングチャレンジ)を整備し、主体的なキャリア形成を支援する環境が構築されています。外部出向やMBA取得のための人財派遣も実施されており、社外での学習・経験機会の提供も取り組みに含まれています。
また、横浜国立大学との包括連携協定に基づき、ミドルマネージャー層を対象とした「マネージャー経験者のためのラウンドテーブル研修」への公募派遣なども行われており、外部機関との連携を活用した育成手法が特徴として確認できます。
横浜銀行では、後継者の計画的な育成と公募制度・外部研修を組み合わせることで、経営幹部候補の持続的な輩出と従業員の主体的なキャリア形成を両立する体制が成果として構築されています。外部機関との連携を積極的に活用する点も、強固な育成基盤として機能しています。
本記事で紹介した2つの事例は、いずれも後継者育成を経営戦略の一部として位置づけ、候補者の選定・育成・登用を一貫した仕組みとして整備している点が特徴です。
金融業界では規制対応・デジタル化・グローバル化への対応が求められており、経営幹部に必要な能力の幅が広がっています。
外部アセスメントや研修機関との連携、グループ横断の合同研修など、社内育成と外部リソースを組み合わせたアプローチが育成基盤の構築に寄与しています。
次世代の経営幹部を計画的に育成するためには、人事部門主導の施策にとどまらず、経営トップが関与する後継者育成計画の設計と、候補者一人ひとりへの継続的な育成投資を組み合わせることが重要です。
また、本サイトは経営幹部の育成に特化した情報をまとめています。
「事業部長候補向け」「現地法人の代表候補向け」「次期後継者候補向け」という対象者別のおすすめの研修プログラム提供会社も紹介していますので、比較・検討の材料としてご活用ください。
経営幹部育成は、誰を育てるかによって選ぶべきプログラムが異なります。
ここでは、事業部長候補・現地法人の代表候補・次期後継者候補の3タイプに分けて、相性のよい研修プログラムを紹介します。
【事業部長候補】向け
経営変革を担う人材の育成なら

実在企業の課題をもとに考え抜く演習や、異業種の受講者との議論を通じて、経営判断力・戦略思考・構想力を磨けるプログラムです。部門最適ではなく、全社視点で考えられる人材を育てたい企業に向いています。
【現地法人の代表候補】向け
グローバルリーダー育成なら

異文化理解や現地適応力に加え、実務を想定したトレーニングを通じて、グローバルな経営視点と現地スタッフとの協働力を身につけられるプログラムです。赴任前後の育成を強化したい企業に向いています。
【次期後継者候補】向け
事業承継のためのインプットなら

階層別テストやケース演習を通じて、後継者候補に必要な意思決定力・リーダーシップ・経営知識を整理して強化できるプログラムです。事業承継に向けて、必要な知識を計画的に補いたい企業に向いています。